carutena



私たちが carutena を愛する理由

服を、想いを、生まれ変わらせる。リメイクに新しい風を起こす学生団体。 

アフリカゾウ130,000匹分。これは、日本で一年間に廃棄される衣服の重量です。1年間に日本に供給される服の量は81.9万トン、そして廃棄される服はなんとその約9割に相当する計78.7万トンにも及ぶのです。 日本だけでこんなに服の廃棄が出ているなんて驚きですよね。
私と同じく驚いた方、もうすでに大量廃棄に課題感を持っている方、もしくはちょっぴり罪悪感を感じた方、いろんな感じ方があることでしょう。私たちにとって服は必需品ですし、新しい服が作られ買われる以上廃棄が出てしまうことはある程度仕方ないことではあります。「捨てる」以外の選択肢を私たちの生活に取り入れられるとしたら、どんな方法があるのか一緒に考えてみませんか。

今回ご紹介するcarutena[カルテナ]は着なくなった古着をリメイクしてトートバックをはじめとしたオリジナル商品を製作、販売しているブランドです。学生団体として現在20人のメンバーが活動しており、商品の製作販売だけでなくアパレル業界に関わるSDGs、特に服の大量廃棄問題の啓発活動も行っています。「ファッションを楽しみながら、その過程にある課題も知ってほしい!」という想いのつまった商品や活動が印象的です。 

ものすごいスピードでトレンドが移りかわり、激しい消費と廃棄のサイクルを繰り返すアパレル業界。ファッションは身近なものですが、一個人が廃棄問題などに取り組むにはハードルが高いですし分からないことも多いですよね。ファッションを楽しみながらその課題に向き合っていく方法を代表の樋口さんに伺ってきました。 

立ち上げストーリー

誰でも始められるエシカル消費をつくりたい。 

– 団体を始めたきっかけや、今の carutena に成長するまでのストーリーを教えてください

実は今でこそcarutenaの代表を務めていますが、もともとは服にもSDGsにも強い関心を持っていたわけではありませんでした。大学の1年からアパレルのバイトを始めて、服やものづくりが好きになりました。でも同時にバックヤードに大量の服が使われることなく廃棄されるのを目の当たりにしたんです。そんな時にMGC(Meiji-Gakuin-Closet)という古着をリメイクして新しい服にする団体のファッションショーに同じく共同代表のharunaと出向いたんです。「これだ!」って直感で思いました。直感というより、刺激、かもしれないですね。古着をリメイクして何か新しいものを生み出したい、そして多くの人に届けたいと思いました。 
ただ、服だとサイズや他の服とのコーディネートのため、人を選んでしまう。より多くの人に届けたい、使ってほしいという思いから、私たちcarutenaはトートバックなど人を選ばない、誰でも手に取りやすい小物の商品にフォーカスすることにしたんです。 

– なるほど、小物にすることで使ってくれる人や興味を持ってもらえる機会も増えそうですね。現在メンバー20人とまでなったcarutenaですが、メンバーはどのように集まったんですか。 

今でこそ20人の学生団体になりましたが、団体立ち上げ当初は私と共同代表のharunaの二人三脚でした。そこから一年目は5人メンバーが増えて7人に。二年目は13人増えて20人になりました。 
メンバーは主にSNSで行っている説明会などを通して集まってきてくれています。みんなファッションが好きで環境保護に関心を持っていて、carutenaの活動に参加してくれています。メンバーから「服が好きだからこそ、着なくなった服をただ捨てることに罪悪感を感じていて、でも一人じゃ動けなくてうずうずしていたところにcarutenaを見つけた。ここでなら自分のやりたいことを一緒に叶えられる。」って言ってもらえた時は嬉しかったですね。私も課題を知っていても自分に何ができるか悩んだ時期があったので。それに同じ志を持つ仲間に出会えたことは何よりの喜びです。
まだ先の話ではありますが、そんな大切なチームであり団体だからこそ私が卒業しても終わらせたくないと考えています。私やメンバーの想いだけでは続けられないので、想いとビジネスの両立を図れるように今は事業部制を導入するなどの運営方法の模索をしています。

ビジョン

「捨てる」以外の選択肢を、社会に

– carutenaではリメイク小物の制作販売と服の大量廃棄に対する啓発運動を行っていますが、団体としてどのようなビジョンを共有しているのでしょうか

carutenaがビジョンとして掲げているのは、「一人でも多くの人に服の大量廃棄問題や、捨てる以外の選択肢が存在するということを知ってもらうことで環境問題の改善に貢献する」ことです。私たちはまず、今のアパレル業界の現状、課題が目の前にあることを知ってほしいと思っています。
「エシカルファッション」を押し付けたいわけではないし、毎日環境のことを考えて行動してほしいってわけではないんです。私自身、数年前までは関心がなかったので。環境問題に0か100で取り組むんじゃなくて、もっと肩の力を下ろして、できることを少しずつ行動に移してくれる人が一人でも増えたらいいなと思います。 

– 樋口さんご自身はcarutenaの活動を通じてファッションとの関わり方で変化した点もしくは変化しなかった点はありますか

そうですね、変えられなかったことと変わったこと、どちらもあります(笑)。変えられなかったことは、服を買うことですね。一度「服を買わないこと」に挑戦した事があるんですよ、課題を感じて自分がここまでcarutenaの活動してるのに服を買ってるなんてって思ってしまって。でも、自分にとってファッションって一番好きなことで。やめなきゃ、買っちゃだめだと我慢したらすごくストレスを感じたんです。楽しくなくて、その時気づきました。「これじゃ自分自身がもたない、そんなんじゃサステイナブルじゃない」って。 
だから、服はを買うことはやめない、でも買うまでの「道のり」を変えました。 

– 「道のり」ですか? 

はい。この服可愛い!!って思ってから購入するまでの道のりです。衝動買いをきっぱりやめました。服を買うまでに、その商品を7回見ることにしたんです。「人間は同じ服を7回着ると飽きる」と聞いたことがあり参考にしまして。だからその場では買わずに1日経ってからオンラインでみたり、また違う日に試着したり、そして友達に感想聞いたりします。それでもまだ魅力を感じてほしいと持ったら、そこでようやく買います。即決していた頃の自分を比べるとだいぶ「道のり」が長くなりました(笑)。ちなみに「7回」という回数は、派手な服なら少なく、シンプルな服なら増えるそうですよ。 
服を買うまでの「道のり」が長くなったことで、本当のお気に入りに出会えるようになりました。逆に着ない服が減りました。今までは毎年新しいシーズンになると、去年着たものを着るのが気が進まなかったんです。でも今は「今年もこれ着られるんだ!」とわくわくするものを選べるようになりました。 

– なんだか、とても親近感がわきました。服にまつわる環境問題というとどうしても身構えてしまう、ハードルが高いと思ってしまう方も多いでしょうし、実際私もそうでしたが、もっと気軽に少しずつ生活に取り入れていきたいです。まずは買う前に7回見る、実践してみます

 

人や環境への配慮のかたち

廃棄から廃棄を生まない。覚悟の裏にある葛藤。 

– carutenaのトートバックは古着を素材としていながら丈夫で、デザインの幅が広く使いやすいと感じました。商品制作におけるこだわりを教えてください 

商品制作でcarutenaが大切にしていることは2つあります。1つは飽きないものであること。もう1つは品質の良い縫製です。これらは「廃棄から廃棄を生まない」という信念の下行っています。 
飽きないデザインと使いやすい大きさにすることで、トレンドに左右されず、長く愛用していただけると考えています。例えば最近はミニバッグが流行していますよね。でも「流行が過ぎた後も普段使えるか、不便なことはないか」と考え、ペットボトルや手帳も入るA4サイズを多く展開しています。 
また縫製の品質も大切にしており、学生団体だからといって手を抜きたくないところです。せっかく買っていただいた商品が壊れたりしてしまって使えなくなることほど悲しいことはないですから。 

ただ、「流行を追わない」ことと「売れる商品作り」の狭間でもがいているのも事実です。飽きないものとトレンドのものは、共存が難しいんです。スタンダードで品質のいいものをつくろうとしても、ファストファッションのトレンドの「安くて」「みんなに人気」な商品に太刀打ちできるのか…と悩んでいます。ただ、トレンドを巡らせ大量生産、大量廃棄を生むファストファッションの二の舞になってはいけない。大きな企業や流行のブランドにはできないこと、私たちだからこそできることをしようと日々デザインや開発に励んでいます。 

– まさにcarutenaのビジョンを反映した商品設計ですね。商品を多くの人に買ってもらうこととエシカルであること。この2つを両立させることの大変さとそれに対する情熱が伝わってきました。最後に、carutenaの商品で一番思い入れがある商品を教えてください。 

そうですね、どれも1点物で選び難いですが…。1番思い出がつまっているのは亡くなった祖父のネクタイや風呂敷をエコバックにして祖母にプレゼントしたものです。祖父の荷物を整理していた際にたんすにしまいっぱなしの服が出てきたんです。その時の祖母の「もう捨てちゃおうかしら…」という言葉と悲しげな表情に寂しくなったんです。そうしたら、祖父が愛用していた素敵な柄のネクタイを見つけて。これでバックを作って、祖母に身近にプレゼントしようってひらめいたんです。そしたら祖母をはじめ家族みんなが喜んでくれました。「これでおじいちゃんといつでも近くに感じられるね」と。リメイクの商品だからこそできる、服と想いが生まれ変わった忘れられないトートバックになりました。 

– 大量廃棄という環境問題に取り組む中で、いつのまにか「本当に大切な服や思い出」に出会えたんですね。元々の服にある想いも引き継がれていく、これこそcarutenaさんにしか実現できないことだと思いました。
私も着れなくなった服など寄付させていただきたいと思いました。本日はたくさんの想いがつまったお話をありがとうございました。
 

商品レビュー

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