Nagara[ナガラ]
「食」の素晴らしさを教えてくれるハンディースープ
世界で一番「食」を愛しているのは日本人である、ということを示した2019年の調査があります。世界各国の人々に、生活における14個のアクティビティについて「最も幸せと感じるのはどれ?」と順位付けをさせたところ、世界で唯一日本人だけ「美味しいものを食べること」を一位にした人数が最多だったそうです。
テレビ番組や雑誌における食に関するコンテンツの数は非常に多く、SNSでも定番の「バズる」ネタ。友人や家族との会話でもオススメのお店やご飯についてのトピックは多いような気がします。さらにミシュランの星を最も多く獲得している都市は東京であることなど、実感としても私たち日本人の食への関心の高さは際立っているように思います。
しかしその一方で、日本は世界トップクラスに労働時間が長い国でもあります。長時間労働が常態化している現代社会においては、健康で豊かな食事のための時間が十分に取れる方ばかりではないのが現状です。パソコンと向かい合いながらコンビニのパンを食べたり、休憩すら取れずに昼食を抜いてしまうような方も多いのではないでしょうか。もちろん仕事だけではなく、家事や育児に自己研鑽など、とにかく時間が足りず、食の時間を削って何かを優先されている方も多いはず。
この記事でご紹介する「Nagara[ナガラ]」は、そんな忙しい方、時間が足りない方でも簡単に食べることができる新しいハンディスープのブランドです。ただ手軽に食べられるだけでなく、有名ホテル出身のシェフや管理栄養士の監修のもと、美味しさと栄養を追求して作られたハンディースープは現代の忙しい日本人が忘れかけている食の喜びや大切さを思い出させてくれるはずです。
たとえばコンビニ弁当だけの味気ない昼食でも、この商品をプラスすることでいつもより少し豊かで華やかなランチに、ただ「食べないといけないから食べる」ものではない、ちょっと楽しみなものにしてくれる商品になっています。
そこで今回idy編集部では、代表の原賀さんにNagaraを開発されたきっかけや想いを伺ってきました。
Nagaraについて
「食事なんて栄養が摂れればいい」と思っていた
– Nagaraを立ち上げたきっかけと経緯を教えてください
以前コンサルティングファームで働いていた頃、かなりハードな働き方が要求されるプロジェクトにいたことがありまして、やっぱりお仕事お仕事で時間がないって言う時期がありました。そういう時って人生が味気なくなってくるんです、灰色っぽくなっていくというか。人間忙しくなると、最初に削るのは大体食事の時間なんですよね。ご飯なんて食べられればいい、栄養が採れればいいくらいの考えになってしまって、先輩から頂いた完全栄養プロテインだけの生活をしていた時期もありました。それはそれで健康的ではあったし元気だったんですよ、プロテイン生活でも人間生きられるじゃんとも思いました。
ただやはりどこかで「これじゃない」「何のために生きているんだろう」という気持ちが芽生えまして。何というか精神の健やかさ、人生の豊かさみたいなものが失われていっているということに気付いたんですね。そこでやっぱり食事は生きる上で本当に大切なものなんだなと身をもって実感しました。エネルギーを補給するためだとかそういうこと以上に、食事は人生を豊かにしてくれるものであると学びました。その学びをもとに、過去の自分と同様、忙しくて時間がない人たちの食を少しでも豊かで健康的なものにするような商品を作れないかなと思ったのがスタートですね。
– プロテイン生活を脱したきっかけと言いますか、食に救われた経験などはあったのでしょうか
救われたと言うべきかはわかりませんが、ずっとプロテイン生活をしていた時にこれは流石に違うなと思い立ってふと食べに行ったお昼ごはんで、大戸屋の「チキンかあさん煮定食」がすごい記憶に残っていますね。お肉や衣への味のしみ方が最高で、出汁と大根おろしと衣と鶏肉と…あれは体に染み渡りましたね(笑)。あの時に本当にご飯はちゃんと食べなきゃダメなんだと思いました。味やメンタル的な部分はもちろん、肉体としてもやっぱり疲労の回復とかその後の体調が違うんですよ。それを味わってからはきっぱりやめましたね。そういう意味では確かに救われた出来事だったかもしれません。
– 「かあさん煮」わかります、あれ本当に美味しいですよね…(笑)
– 食の豊かさのためにNagaraを立ち上げたということですが、ハンディスープを選ばれたのはなぜですか
手軽に食べられて美味しい。保存に優れている。プラスワンとして明確な価値がある。色んなバリエーションが出せる…などなど、私たちが求める条件を考えてみた時に、持ち運べるパウチタイプのスープが最適なのではと考えました。汁物があるだけで献立が華やかになったり、食欲がなくてもスープなら食べられるよね、といった気持ち的な部分、私たちの直感も大切に考えた上でのハンディスープですね。実際にそういった商品を探してみても市場にはあまりないもので、似たようなものがあっても「食を豊かにできる」ほど美味しくはないなと感じたので、じゃあ自分で作ってみるかっていうところからですね。
– ちなみに原賀さんは、以前から起業などは考えていらっしゃったのでしょうか
正直最初はあまり考えていませんでした。実は私は現在もバルミューダという会社[BALMUDA:最高の香りと食感を実現する感動のトースターなど斬新なコンセプトやデザインで人気の家電ベンチャー]の社員なんですが、社長とコミュニケーションを重ねる中で、目の前にいる人が自分の理想の働き方をしていることに気付いたんです。働き方と言っても時間の使い方とか休みがとかではなく、自分自身で責任を持って決断を重ねて、自分が価値があると信じるものを人々に届ける、という意味ですね。それを突き詰めるとやはり一会社員では難しくて、起業するしかないという考えに至りました。
そういった気付きと、忙しい人々にも食をあきらめてほしくない、少しでも豊かな食生活を送れるような世の中にしたいという想いが組み合わさってできたのがNagaraです。
想いとコダワリ
美味しいのは当たり前、材料から容器まで徹底的にこだわる
– 最初の段階ではある意味原賀さんも「素人」だったわけですが、その状態からいきなり商品を作るために材料を見つけて工場を探して…というのはできるものなのでしょうか
おっしゃる通りで、なかなか大変でしたね(笑)。基本はネットで「スープ OEM」と検索して、実績でそれっぽいものを作っている会社を見つけ出して電話をしてみたり、ホームページからメールを送ってみたりの繰り返しでしたね。返信がもらえないことや、電話をしても取り合ってもらえずに断られることも多々ありました。そりゃ工場側からしたら、今までなんの実績もない奴らがいきなり…という気持ちでしょう。しかもやたら強いこだわりを持ってトリッキーな依頼ばかりしてくる。嫌がられて当然だったと思います。
– 具体的にはどんなこだわりがあったのでしょうか
まずスープそのものの作り方ですね。そもそも一般的な冷製スープの多くはレトルト食品です。レトルト食品というのは、長期保存のために高温高圧で加熱して調理や殺菌処理などを行うものなのですが、それだとどうしても旨味成分が分解され、雑味も出てきてしまう。Nagaraはどうしてもそうしたくなかったですし、もちろん過剰な添加物も使いたくない。色々研究して何とか味と保存性のバランスで納得できるところを見つけたんですが、つまり普通の作り方じゃないわけです。
容器にも非常にこだわっていて、実は特注品なんですね。初めての商品開発で容器までつくるのはコストやロットの面からどうかなとも思ったんですけど、既成のものに納得できるものがなかったので頑張りました。特にこだわったのは飲み口の大きさで、一般的なものより少しだけ小さくなっています。大きすぎると飲みづらかったり、一気に口に入ることで味の感じ方が変わったり、また特に女性から見た時に美しくないというか、口をできるだけ開けたくないという意見も参考にしました。
ところが今度は容器にこだわった結果、今度は工場で飲み口の径に合うスープ充填用のノズルがないと言われるわけです。ただそこで諦めずに「ノズルがないんだったらこちらで用意しますので作ってくださいお願いします」というようなコミュニケーションを重ねまして、やれない理由をどんどん解決していって、最終的に協力してくださるいい工場さんと出会うことができましたね。
– かなり大変だったみたいですね…そこまでこだわったモチベーションは何でしたか
例えば容器だけでもやっぱり体験が全然違うんですよ。飲み口の大きさが1mm変わるだけでも、口当たりに大きな影響があるんです。材料や味付け、調理工程なんて当然もっと大きいわけですよね。
だから単純な話でして、人々の食事を豊かにする」というところから始まっているのに、食の体験に関わる部分を妥協するのはどうなのっていうことですね。
…正直言うと、僕が第三者の立場だったらやめとけって言いますけどね。容器のオーダー製作だけでかなりのお金がかかっていたりするので(笑)。自分たちが「こっちの方がいい」と信じている部分は妥協せず、多少の無理をしてでもそこはこだわっていきたいですね。
– スープの素材にもこだわりがあると思いますが、どのようにして選ばれたのでしょうか
スープの味の大部分は素材で決まると言っても過言ではないと思っています。もちろん調理も大事ですが、単純に言ってしまえば、混ぜて煮込んで冷やすだけなので、調理の技術がどうこうよりも素材やその組み合わせ、バランスの妙といったところが大切なんです。なので当然素材にはめちゃくちゃこだわっていますね。
ただ私は料理は素人で、知識がそれほどなかったと言うこともあり、ひたすらインターネットで全国各地の農家さんから取り寄せて、サンプルを作ってみて実際に食べて…の繰り返しでした。一時期は家の冷蔵庫がトマトまみれでしたし、ほとんどトマトしか食べてないんじゃないかっていう生活でしたね(笑)。結果としてトマトは通常のものより2倍以上の糖度があるフォレストフルティカというものを使っていて、とても美味しいスープになりました。今後もよりよい素材を探していくので、変わっていく可能性ももちろんありますけどね。
– Nagaraのメンバーはどのような方がいらっしゃるのでしょうか
私とシェフと管理栄養士の3名でやっています。シェフは岡嶋といいまして、有名な外資系ホテルでシェフをやっていた人間です。素材の組み合わせや味を決定づけるのは彼の仕事で、いつも本当にいい仕事をしてくれます。
実は、栄養バランスの監修は管理栄養士である私の妻にお願いしているんです。妻が管理栄養士だったからNagaraを始めたわけでも、もちろんNagaraがあるから栄養士になったわけでもないんですが(笑)、色々と協力してくれて本当に感謝しています。何より妻という近しい人間だからこそ、商品に対して一切遠慮なく思ったことを言ってくれる。その内容も、さすが食の現場に長く居るだけあってとっても的確です。彼女が事業にとって大きな力になったのは間違いないですね。
Nagaraが考える未来
忙しくても、美味しさをあきらめない
– 今後、Nagaraをどんな人たちに届けていきたいですか
昔の私のように、元々食事は好きだけど忙しさ故に食事に気をつかえなくなってしまった人たちに届いて欲しいですね。
そういった人は実はかなりの数いるんじゃないかと思ってます。お昼時にコンビニに行ったりすると、結構みんな暗い顔をしているというか、もちろん疲れているということもあるんでしょうけど、ボーッと陳列棚を見つめたまま動かない人とか結構いるんですよ。あれは多分、何を食べたらいいのか全然わからないんだと思います。コンビニに並んでいる食品にワクワクしなくなっているというか「今日もコンビニか…」とか「食べたいものなんかないよな…」とかそんなことを考えてしまう。あくまで僕の仮説ですけど、あの光景は結構印象的ですね。
だからこそそういう人たちにNagaraを知ってもらって、試してもらって「あ、やっぱり美味しいものっていいな」ですとか「なんかちょっとテンション上がる気がする」とかその程度でいいので、感じてもらえたら嬉しいですね。ルーティン化した平凡なお昼ごはん、作業的にこなすだけの楽しみじゃないランチが、Nagaraによって少しでも楽しみで幸せなものになってくれたらそれ以上のことはないです。
– そういった方々へのアプローチとしてはどのようなものをお考えですか
一番わかりやすいところで言うと、オフィスに置けるようにしていきたいなと考えています。貯金箱のようなものにお金を入れて取っていく置き菓子があるじゃないですか、あんな感じで「オフィスNagara」なんてあったらいいなと。オフィスでランチとなると、どうしても手軽に済ませる場面が多いはずで、おにぎりだけとか、惣菜パンだけとか。そんな時にオフィスの冷蔵庫で見かけて「ハンディースープってなんだろ」「なんかあれだけじゃ味気ないし食べてみようかな」というところからNagaraを知ってもらえたら嬉しいですね。
もしそういった仕組みが実現したとすると、現行の2種類だけじゃ誰だって飽きてしまうと思うので、これからもっとラインナップを拡充していきたいと考えています。
– まだ発売されたばかりですが、もう次の商品を考えられているんですね
具体的にはまだまだこれからですが、やっぱり多くの方の好みに応えるためにも、色々な種類があるべきだと思っています。それに冷製スープを真冬に飲みたいのかとなると、ちょっと違うと思いますし。今のスタイル、野菜の冷製スープだけをひたすらいっぱい作っていくだけじゃ面白くないとも思っているんです。
私がNagaraで実現したいのは、どんなに忙しくて時間がない人でも、例え仕事をしながらだったとしても、最高に美味しいもの食べられる世の中。そのためには冷製スープだけでは足りません。なのでハンディスープには力を入れつつも、それ以外の幅を今後持たせていきたいですね。色々構想していることはありますよ。
– Nagaraというブランドの下にハンディスープがあったり、別のジャンルやスタイルの商品を展開していくようなイメージですね。とてもワクワクします!
– 最後に、Nagaraが考える未来について教えてください
何よりも、人々に食をあきらめないでほしい、あきらめさせないという信念を持ってやっていきたいですね。私がプロテインだけでも生活できていたように、そうなったからといって必ずしも健康じゃなくなるとか不具合が起きるってことではないんです。それでも私は自身の体験も含めて、美味しい食事は毎日を、人生を豊かにしてくれると信じていますし、できるだけ多くの人にそう感じてほしいと思っています。
今あきらめてしまっている人たち、妥協している人たちだって、そうしたくてそうしているわけじゃないはずです。誰だって美味しいものは好きなはずですしね。そういう人たちの力になりたいという想いを込めて「忙しくても、美味しさをあきらめない」をスローガンとして掲げました。
Nagaraを通して、忙しい毎日を過ごす人々の食事を少しでも美味しく豊かなものに、そして日々の生活を今よりちょっと楽しいものに出来るような、そんなブランドを目指して精進していきます。
– 原賀さんの食に対する想いや忙しい人々の毎日を少しでも良いものに、という素敵な想いがとても伝わりましたし、Nagaraの新しい商品も楽しみにしています!本日はありがとうございました。
Nagara の商品
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